大船渡市派遣レポート 第1回 (税務課勤務)清水 賢二
1.仕事の内容について
これまで私の行ってきた業務は「罹災証明書の調査及び発行業務」「被災証明書の発行業 務」「納税通知書作成業務」です。
まず「罹災証明書の調査及び発行業務」は、被害のあった資産(建物・自動車・船舶) について、市民の申請に基づき、罹災証明書を発行します。罹災証明書は国や自治体が行 っている支援制度等の申請の添付書類として必要となることが多いので、毎日多くの申請 があります。資産の中で、建物については損傷の軽い順から一部損壊、半壊、大規模半壊、 全壊と罹災の程度が分かれており、その判定については税務課職員が現地調査を行い、国 の示した被害認定基準に準じて罹災程度を決定します。
私が派遣された7月時点での調査状況は、 津波被害のあった場所は申請の有無に関らず、 既に調査(外見及び浸水の高さによる一次判定)が終了しており、罹災程度の判定がなさ れていました。現段階では、専ら市民から申請のあった住家で、地震のみの被害にあった 住家や、再調査の依頼があった住家について調査を行っています。再調査は、半壊以上の 判定をうけていることが義援金の受取の条件となっているため、主に一部損壊などの判定 を受けた方からの依頼によります。一日10件前後の依頼があり、税務課資産税係が交代 で調査に行きます。基本的に二人一組で調査をし、一人が調査書に記入をし、もう一人が 住家の傾きを測ったり、損傷箇所を見つける等の補助をしたりします。私はその補助役と して調査に同行しています。
「被災証明書の発行業務」は被災者支援の一環として、東北地方を発着とする高速道路 の利用を無料開放することとなっており、被災証明書はこれに必要な書類として、申請の あった被災者の方に対して税務課で発行しています。
「納税通知書作成業務」は震災の影響で延長していた固定資産税の納期(第1期)が 8 月31日に決まったことに伴い、納税通知書の作成をしています。
大船渡市では固定資産税の納税通知書の総数は約17,000 通ですが、納税通知書の作成を 印刷から裁断、 封入までを全て市で行っているため、 なかなか大変な作業となっています。 7 月の後半はほとんど納税通知書の作成でした。
また、 大船渡市では被災した固定資産について、 課税の免除や減免の措置を講じており、 最終的に課税免除となり税金が発生しなくなった方にも資産の明細書は送付する対応をし ています。
2.市役所の様子
大船渡市では、災害復旧対応にあたるため、例年4月1日付で実施している職員の定
期異動について、3か月延期し、7月1日をもって税務課も新体制となりました。税務
課は資産税係、 市民税係、 収納係と分かれており、 7月時点で職員23名、 非常勤2名、
臨時職員11名、他市町村からの派遣職員7名の計43人体制となっております。他市
町村からの派遣職員は佐久市のほかに甲州市、和歌山市、八幡平市、千葉市、いなべ市
等から派遣されており、1週間から1か月単位で交代しています。勤務体制も震災後は
制に戻りました。震災関係で窓口に来られる市民の方も日々絶えませんが、混雑するほ どでもなく、一段落したように思えました。
市役所全体の様子としては、 義援金関係や医療費の免除等で臨時窓口が設置されてい
ましたが、7月の半ばから申請者の数も減ってきており、当初予想したよりも大分落ち
着いていると感じました。
3.災害の状況
被災前の街並みを知らないので比較することが出来ないのですが、職員の方からのお話 によると、震災直後の状況と比べ、かなり瓦礫の整理や撤去は進んだようです。実際に被 災場所を訪れると、満ち潮時に冠水して通行不可になる道路はあるものの、瓦礫が散乱し て進めないところはほとんどない状況で、倒壊した家屋は片付けられ更地になっていると ころが目立ちます。現在は、倒壊はしてないものの使用不可となった建物を取り壊す段階 に来ているように思われます。ただ実際に現場に訪れると沿岸部はどこに行っても被害を 受けており、残った建物を見てもその被害の規模は相当なものであったということを肌で 感じています。また地震による影響も出ており、がけ崩れや地割れが数多く見受けられま す。また罹災証明の現地調査で住宅に伺うと、住めない状況に至らないまでも、瓦の破損、 壁・柱のヒビ、床のゆがみや建具の建付けが悪くなる等の影響が出ている住宅が数多くあ ります。
※壊滅的な被害のあった大船渡町欠ノ下向地区
※崩れた防波堤
※瓦礫から見つかった写真等 三陸支所
国道45号線沿いや盛駅周辺は比較的被害が少なく、スーパーやコンビニエンスストア、 飲食店等の商業施設も通常営業しており、生活に必要なものは不自由なく揃う状況になっ ています。大船渡駅周辺も商業施設が集まるところでしたが、こちらは壊滅的な被害とな っております。
市民の主な交通手段は車ですが、学生やお年寄りの方はバスを利用しています。市内を 回るバスでは無料で運行しているところもあります。信号機の壊れている交差点で、交通 量の多いところは、警察官が交通整理しています。電車は線路が被害に遭い、再開の目途 は立っていないようです。
ライフラインは、震災から 1 週間ほどで電気が、1 ヶ月ほどでガス、水道が復旧したよう です。
応急仮設住宅は小中学校及び公園を中心に至る所に建設されています。敷地の広さによ って4~138 戸と様々な単位で、合計約 1,800 戸分が建設される予定です。
4.その他の出来事・感想等
め付けられる思いがします。
それでも市民の方は前向きに暮らしているように感じます。盛駅周辺の飲食店は連日混 雑しています。職場でも 7月 22 日は土用の丑の日ということで税務課では昼食にうなぎ弁 当を注文し、みんなで食べました。またその日の夜には震災後初の歓送迎会があり、招待 していただきました。
宿は民宿の弁天荘にお世話になっています。女将さんをはじめ非常に良くしていただい ています。旦那さんは漁師で 7 月 27 日にようやく漁に出られるようになりました。震災当 時も漁に出ており、沖のほうに逃げて助かったようです。
派遣職員二人とも、体調を崩すことなく元気にやっています。
※震災後残った数少ない漁船。一番左が弁天荘の漁船「弁天丸」。7月9日撮影。